Excelで年金を計算する方法|PMT・PV・FV・NPER

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Excelで「毎月いくら受け取れるか」「毎月いくら積み立てればよいか」を計算したいときは、PMT・PV・FV・NPERといった財務関数を使います。知りたい値によって選ぶ関数が変わり、月払いの場合は利率と期間の入力方法、マイナス表示の理由でつまずきやすいのが特徴です。この記事では、1つの仮条件を使い回しながら、各関数の入力方法を順番に説明します。

最初にお伝えしたいのは、ここで紹介する計算は固定の利率・固定の支払額を前提にした計算だという点です。国民年金・厚生年金・終身年金などの実際の受取見込額や、保険会社の保証額とは別物ですので、あくまで試算の練習としてお読みください。

この記事の重要ポイント
  • Excelの年金計算は、固定の利率と固定の支払額を前提にした試算です。実際の受取額と同じとは限りません。
  • 月払いで年利が月複利の場合は、利率に「年利÷12」、期間に「年数×12」を入力します。
  • Excelの財務関数は「支出は負、収入は正」で扱うため、結果がマイナスで表示されることがあります。
  • 計算値には税金・準備金・手数料が含まれない場合があります。

年金計算でExcelが使えること、使えないこと

Excelで年金の試算をしているイメージ

ExcelのPMT・PV・FV・NPERといった関数は、利率と支払額が一定であることを前提に、定期的な受取額や積立額を計算します。Microsoftの公式ヘルプも、一定の利率と一定の支払額を想定した説明になっています。

  • できること:固定の利率・固定の支払額で、毎月の受取額、必要な元本、積立後の金額、必要な期間を試算する。
  • できないこと(そのまま断定できないこと):国民年金・厚生年金・終身年金などの実際の受取見込額や、保険会社の保証額を示すこと。
  • 注意すること:PMTの計算には、税金・準備金・手数料が含まれない場合があります。

実際に受け取れる金額は、加入している制度や契約内容、税金などによって変わります。公的年金や保険の具体的な金額は、制度の公式な案内や契約書類でご確認ください。

目的別の関数早見表

目的別に関数を選ぶための早見表

関数を選ぶときは、「何を求めたいか」から逆引きするのが近道です。

知りたいこと 使う関数 求める値
毎月の受取額・積立額はいくらか PMT 毎期の支払額
毎月一定額を受け取るには、いくら必要か PV 現在価値(必要な元本)
定期積立は、期間終了時にいくらになるか FV 将来価値
何か月(何年)かかるか NPER 期間数
利率はどのくらいか RATE 利率
自宅の机でノートパソコンの表計算画面を見ながら年金の試算をする人

RATE関数は利率を逆算するための関数で、海外の解説記事でもPMT・PV・FV・NPERと並べて紹介されています。この記事では詳しい入力方法には触れず、先の4つの関数に絞って説明します。

迷ったときのチェック:「毎月の金額が知りたい」ならPMT、「元本が知りたい」ならPV、「積立後の金額が知りたい」ならFV、「期間が知りたい」ならNPERを選びます。

月払いのときの入力ルール

月払い用に利率と期間を入力する場面

月ごとに支払いや受取りが発生する場合、利率と期間も「月単位」に合わせて入力する必要があります。年利が月複利の条件であれば、次のとおりです。

  • 利率(rate):年利÷12
  • 期間(nper):年数×12
電卓とペンの横に置かれた関数の早見表

たとえば年利5%、20年なら、利率は 0.05/12、期間は 20*12 と入力します。

注意したいのは、年利÷12 は月複利の条件のときの考え方だという点です。複利の条件が異なる場合は、先に契約や商品の条件を確認してから換算してください。年利と月利、年数と月数を混ぜて入力するのが、最も多いミスです。

PMT関数で毎月の受取額・積立額を求める

PMT関数で毎月の金額を計算する

PMT関数は、一定の利率と支払額を前提に、毎期の支払額を求めます。構文は次のとおりです。

=PMT(利率, 期間, 現在価値, [将来価値], [支払期日])

ここからは、次の仮条件を使って説明します。実在の商品や制度の数値ではなく、読者が自分の数字に置き換えるための教材用の例です。

月払い用に利率と期間を数式で入力している手元
  • 元本:1,000万円
  • 年利:5%(月複利)
  • 支払い:月末払い
  • 期間:20年(240か月)

入力する数式は次のとおりです。

=PMT(0.05/12, 20*12, -10000000)

結果は月約65,996円になります(仮条件に基づく計算例)。元本を預ける側の視点で、元本を -10000000 とマイナスで入力しているため、受け取る月額はプラスで表示されます。

PMT関数の数式と月額の計算結果が表示されたノートパソコン

参考として、海外の解説記事(Spreadsheet Planet)には、10万ドル・年5%・月末払い・20年という条件で月約659.96ドルとなる例が載っています。これも入力条件に依存した計算値で、上の円建ての例はその金額を比例換算した値と一致します。

PV関数で毎月一定額を受け取るために必要な元本を求める

必要な元本を逆算する

「毎月これだけ受け取りたいが、いくら用意すればよいか」を知りたいときは、PV関数を使います。PVは、一定の利率と定期的な支払額から現在価値を求めます。

=PV(利率, 期間, 定期支払額)

先ほどの仮条件で、毎月65,996円を20年間受け取るために必要な元本を確認してみます。

=PV(0.05/12, 20*12, -65996)

キッチンのテーブルで必要な元本を確認する人

結果は約1,000万円となり、PMTで求めた金額から元本に戻せることが確認できます。

ここで受取額を -65996 とマイナスで入れているのは、符号の規則に合わせるためです。符号の詳しい考え方は、後ほど「結果がマイナスになる理由」で説明します。

FV関数で定期積立の将来価値を求める

積立後の金額を計算する

毎月の積立額と利率から、期間終了時にいくらになるかを求めるには、FV関数を使います。

=FV(利率, 期間, 定期支払額)

貯金箱とコインの横で積立額の推移グラフを表示したノートパソコン

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仮の例として、毎月3万円を年利5%(月複利)で20年間積み立てる場合を考えます。

=FV(0.05/12, 20*12, -30000)

結果は約1,233万円です(仮条件に基づく計算例で、税金・手数料は含みません)。

積立額を -30000 とマイナスで入力するのは、積み立てる行為が「支出」にあたるためです。その結果、将来受け取れる金額がプラスで返ってきます。

NPER関数で必要な期間を求める

必要な期間を逆算する

目標額や受取額から、何か月(何年)かかるかを逆算したいときは、NPER関数を使います。

カレンダーに印をつけながら必要な期間を確認している様子

=NPER(利率, 定期支払額, 現在価値)

元本1,000万円から月65,996円を受け取る場合の期間を、次のように確認できます。

=NPER(0.05/12, 65996, -10000000)

結果は約240か月です。月数を年数に直すには、12で割ります。240÷12=20年です。

月初と月末を示す付箋が貼られたカレンダーとノートパソコン

期首払いと期末払い:type引数の違い

月初払いと月末払いの違い

PMT・PV・FVでは、最後の引数 type で支払いのタイミングを指定できます。

  • type が 0または省略:各期間の末に支払い(期末払い)
  • type が 1:各期間の初めに支払い(期首払い)

同じ仮条件(元本1,000万円、年利5%、20年)で比べると、次のとおりです。

項目 期末払い(type=0または省略) 期首払い(type=1)
数式 =PMT(0.05/12, 20*12, -10000000) =PMT(0.05/12, 20*12, -10000000, 0, 1)
毎月の金額(例示値) 約65,996円 約65,722円

期首払いのほうが月額が少し小さくなるのは、各回の支払いが1期間早く行われるためです。比較表の金額は、仮条件から計算した例示値であり、実際の商品の数値ではありません。

マイナスの数値が表示されたセルをペンで指して確認する人

結果がマイナスになる理由とよくあるミス

マイナス表示になった結果を確認する

Excelの財務関数は、お金の流れを「支出は負、収入は正」という符号で扱います。元本や積立額を支払う側は負の数、受け取る側は正の数になります。

  • 元本を -10000000 と入力すると、毎月の受取額はプラスで返ります。
  • 元本を正の値で入力すると、毎月の金額がマイナスで返ります。

数式は合っているのに結果がマイナスになったときは、まず入力した元本や積立額の符号を見直してください。

よくあるミスのチェックリスト

利率の異なる2つの表を見比べる人
  • 年利と月利を混在させていないか(年利を月払いにそのまま入れていないか)
  • 年数と月数を混在させていないか(期間を12倍し忘れていないか)
  • 元本・積立額・受取額の符号が噛み合っているか
  • type の入れ忘れ、または値の間違いがないか
  • 複利の条件(月複利かどうか)を確認したうえで換算しているか

利率や支払額が変動する場合の考え方

条件が変わる場合の確認方法

Microsoftの公式ヘルプは、一定の利率・一定の支払額を前提に関数を説明しています。そのため、利率や支払額が途中で変わる場合に、この計算をそのまま使えるとは言い切れません。

変動がある場合の対処としては、次のような方法が考えられます。

  • 条件が変わる期間ごとに表を分け、それぞれの期間を別々に計算して確認する。
  • 実際の受取条件は、金融機関や年金の公的な案内など、一次情報で確認する。

Excelの試算は、あくまで目安として使うのが安全です。

質問のメモとノートパソコン、お茶が並ぶ机

よくある質問(FAQ)

よくある疑問をまとめて確認する

Q1. どの関数を使えばよいですか?

毎月の金額ならPMT、必要な元本ならPV、積立後の金額ならFV、必要な期間ならNPERを使います。迷ったら「何を求めたいか」から選んでください。

Q2. 月払いの利率と期間はどう入力しますか?

年利が月複利の条件であれば、利率は年利÷12、期間は年数×12です。複利の条件が違う場合は、先に条件を確認してください。

Q3. 期首払いと期末払いの違いは何ですか?

type が0または省略なら期末払い、1なら期首払いです。同じ条件でも、期首払いのほうが毎月の金額は少し小さくなります。

Q4. 結果がマイナスになるのはなぜですか?

Excelの財務関数では、支出を負、収入を正として扱うためです。入力した元本や積立額の符号を見直してください。

完成した表計算シートと電卓、チェック済みのノートが置かれた机

Q5. 利率や支払額が変動する場合でも使えますか?

公式ヘルプは固定条件を前提にしているため、そのまま使えるとは言い切れません。期間ごとに分けて確認するなどの工夫が必要です。

Q6. 計算値は実際の受取額と同じですか?

同じとは限りません。税金・手数料などが含まれない場合があり、公的年金や保険の金額とも別物です。実際の金額は、制度や契約の公式な案内で確認してください。

まとめ

計算の要点を整理する

Excelで年金(定期的な受取額・積立額)を計算するポイントを整理します。

  • 求めたい値に応じて、PMT・PV・FV・NPERを使い分ける。
  • 月払いで月複利の場合は、利率を年利÷12、期間を年数×12に換算する。
  • 結果の符号と type(期首払いか期末払いか)を必ず確認する。
  • 固定の利率・支払額を前提にした試算であり、実際の受取額とは別物と考える。

まずは仮条件の数値を、ご自身の金額・利率・期間に置き換えて試してみてください。

まずはMicrosoft公式のヘルプで、PMT関数の引数を確認してみましょう。

PMT関数の公式ヘルプを見る

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この記事を引用するとき

出典: Atovia(アトビア). https://atovia.kr

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